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調理師専門学校で5日間のリカレント教育講習会を実施しました

人生100年時代!何歳になっても学ぶことは可能です

『リカレント教育』とは社会人を対象とした学び直しとして今注目されています!

この度、神戸国際調理製菓専門学校では第2回目となる調理分野リカレント教育講習会が開催され、無事に終了することができました

今回は本校が実施をしたリカレント教育講習会についての報告をいたしますので最後までお読みください。

リカレント教育とは

リカレント教育とは『学び直し』と略されることが一般的です。

人生100年時代において、個人が人生を再設計し、新たなスキルを身に着けることが今の時代は重要視されており、その中でも注目されているキャリア選択のうちの一つです。

そのような背景の中、神戸国際調理製菓専門学校では今年度も専門学校における社会人の学びの機会として、5日間の調理分野のリカレント教育プログラムを実施しました。

調理系の資格を紹介!|2020年に新しいことをはじめたい人へ』の記事でもお伝えした通り、今の時代は経歴ではなく「何ができるのか」で判断されています。

今だからこそ、経歴と「調理」で新しいことをはじめてみるのもいいかもしれません。

専門学校におけるリカレント教育の在り方とは

みなさん専門学校にどのようなイメージをもっていますか?職人になる為の学校?地域と深く結びついている学校?2年で卒業する学校?

人それぞれ、また地域それぞれで違ったイメージをもっていると思いますがすべて正解です。

全国各地にある専門学校は地域の産業や企業で必要とされている人材の育成、そして企業等の人材確保などで大きく貢献され地域の発展に関わっています。

専門学校におけるリカレント教育は長年提供している学生向けの教育内容をベースとし、今後調理分野でチャレンジするときに必要な技術知識を中心としたカリキュラムを組んでおり、現場に近い設備、一流の先生、同じ志を持った仲間がいますので、他民間企業が実施しているプログラムと比べても質の高い内容になっているかと思います。

またそれはこの調理製菓分野だけではなく、美容、介護、動物様々な分野の専門学校でも同じことが言えると思います。

リカレント教育講習会の5日間のカリキュラム内容

第2回目となる今回は2021年8月18日か5週間にわたり、毎週水曜日に開催をいたしました。

カリキュラムの内容といたしまして、講義を1日と実習授業を4日間行い、衛生知識や和洋中の基本の技術を学び直すことを目的としています。

午前1午前2午後1午後2
8月18日㈬オリエンテーション調理実習
8月25日㈬座学
食品の安全と衛生
座学
食品の衛生と特徴
9月1日㈬調理実習調理実習
9月8日㈬調理実習調理実習
9月15日㈬調理実習調理実習
授業時間割

1日目

そのあとの初めての調理実習では野菜の切り方をメインに調理の基礎技術を勉強しました。

オリエンテーションと調理実習を行いました。

参加者の皆様には茄子やニンジンなどを調理していただき、その切り方のコツや注意点などを勉強してもらいました。

特に切り方一つでもたくさんの種類があるということ、口に入れた際のテクスチャー(舌触り)の違いなどを体験してもらいました。

主婦の参加者もいらっしゃいましたので、その方にとっては家庭でご飯をつくるときにも活用してほしいと思います

最終的には各自で2品の料理を作りました。

2日目

2日目の座学レストランサービスの授業では、食事をする際の聴覚・視覚へ与える影響について勉強しました。

何気なくかかっているBGMも実は理由があるようです。これからレストランへ行ったときの視点も変わるかもしれませんね。

午後からの栄養学の授業では衛生面など調理時の基本となる知識を勉強しました

3日間

この日も調理実習でした。鯖を使った料理2品を作りました。

普通の料理教室では絶対教えてくれない、四季を取り入れた食材の使い方など学び直しの一環として充実した時間となりました

4日目

今回は中国料理担当の川端先生による中国料理実習でした

参加者のみなさんの中には初めて中華包丁を使った人もいらっしゃったのではないでしょうか?

授業後は意見交換会を実施。料理業界だけではく県の方や他分野の専門学校の先生を交えてリカレント教育に関する今後の展望と期待について意見を交換しました。

5日目

この日の授業は『料理の組み立て方を考える』というテーマで授業を行いました。

味覚、色彩、言葉の表現、お金の考え方まで、料理を勉強するにあたっての+αの知識を勉強しました。

授業後は修了証書の授与がありました。この講習を何かの機会ととらえ新しいことに今後チャレンジしてほしいと私たちは願っております。

実施後の課題

5日間の講習会を終えていくつかの課題が見えました。それは大きく分けて2つあります

  • 〇リカレント教育への理解
  • 〇受講後の支援

です。

リカレント教育への理解について

本校では第2回目の調理リカレント講習会を開催でき、無事に終了することができました。

開催するにあたり、兵庫県下の他分野の専門学校も交え、意見交換をする中でリカレント教育を今後実施する意向もなく関心もないという学校からは、そもそもの実施する意味が分からない、その需要がわからない、知らないからよくわからないという意見もありました。

まだまだリカレント教育という言葉自体は行政や業界の推進によって大きく影響してくるので、社会的に浸透していないという受け止め方は理解をすることができます。

しかし、具体的な需要が見込まれないからという実施意義を問うような考え方は各々の業界における企業や業界への理解が足りないと強く感じます。

神戸国際調理製菓専門学校では2020年4月から5月にかけて兵庫県内の飲食業、宿泊業に属する企業71社の調理現場責任者と人事担当者にアンケートを実施しました。

その結果、本校と関わりが強い調理業界は常に人手不足で雇用を必要としています。

その人材を補うために業務の効率化を図るよりも新規人材を補充し解決に努めている状態です。

リカレント教育を受けた人材を雇用したいかという質問に対して「はい」と「検討中」と85%の企業がそう答え、1週間ほどの調理技術向上のための有料のプログラムを社員に受けさせたいかという質問にも同じく85%の企業が「はい」と「検討中」と答えました。

調理業界ではリカレント教育が必要であることが把握でき、いかに人が企業の資源として重要であるかも再確認できたきっかけにもなりました。

受講後の支援について

受講者のほとんどは調理業界で再スタートを切りたい、ステップアップしていきたいと考えています。

学び直しの機会として本校では開催をしましたが、参加者の潜在的なニーズを満たしているとは限りません。

もちろん、国家資格取得の有無が関係してくる美容業界や医療業界において再スタートは難しいと思われますが、業界との結びつきが深い専門学校だからこそできる受講後のバックアップがあると思います。

まとめ

リカレント教育は業界と受講者がお互いにとって良い関係性を築きながら取り組むことができると思います。

なぜなら業界が持つ課題と受講者の思いが一致をしているからです。

神戸で唯一調理と製菓が学べる学校である神戸国際調理製菓専門学校としてはさらに今後も業界や受講者の期待に添えるプログラム作りをしていきたいと考えています。