ブログ

調理師専門学校から企業の商品企画部に入社したい

調理師専門学校を卒業した学生は卒業後、製造部門や調理部門への配属になることが多いのですが、最近では一般企業への就職を希望する学生もいます。その場合、経営企画部、事業企画部、営業企画部、商品企画部など、商品を企画・開発するような部署への配属を目指すことになります。

どの企画部も会社の未来を左右する重要な部署ですが、具体的にどのようなことをするのかわからない人がほとんどだと思います。

今回は商品企画部の仕事内容を中心に紹介をしていきます。

○商品企画部どのようなことをする?

商品企画部とは、簡単に言うとイメージを企画して形にして商品にしていく部署です。

自分のアイデアが実際に形になるのでとてもやりがいがあります。

まず行うのはマーケティングです。顧客の声やトレンドから今これから求められる商品像を見つけていきます。

スピード感が大事で、今商品化したら売れる商品でも、3ヶ月後には見向きもされない、なんてことも有り得ます。少し先を見据えたマーケティンが非常に大切といえます。

企画部というのだから新商品ばかりを考えているのかと思いきやそうではありません。当然、既存商品もより良くなるために改良を行います。デザイン、味、量などリニューアルすることで新規顧客が増えるかもしれないし、減るかもしれません。企画部とはまさに全社員の期待を背負った精鋭部隊、と言えるでしょう。

企画が生まれたら、次は実際に試作をしてみます。1つ作って終わりではなく、考えられるパターンをいくつも作りその中で「これだ!」と思うものに出会えるまで試行錯誤を続けます。

ただいいものを作るだけではいけません。原価を考え、会社の利益を考え、顧客が「購入したい」と思える売価を考えます。

原価にこだわらずよい材料にこだわれば美味しいものはできるかもしれませんが、高額だと購入してくれなくなる恐れがあります。コストパフォーマンスも人気商品の重要要素になってきます。

味が決まればデザインを考えていきます。

商品自体のデザインも、外側のパッケージデザインも、商品企画部が行います。

例えばロッテの「コアラのマーチ」はコアラの絵が書いているチョコ菓子ですが、コアラの絵を変化させるだけで「どんな絵があるかな」と食べる人のワクワク感を引き出し、今も売れ筋のロングセラー商品です。

「コアラ」という変わらないものと、変わるものを上手く融合させることがいかに難しく、いかに大変かというのはやってみないとわからない事でもあります。

商品が決まれば製造部門にバトンタッチです。

工場などで生産し、店頭に並べます。バトンタッチする前には製造部門にも密に連絡を取り合いながら進めていきます。

「これ、いいのができたから作って」といきなり言うのではなく、このデザインは作れるのか、この材料だとどのような工程を踏むのか、など相談しながら商品開発は進行していきます。新しい商品を生み出すには他の部署との連携も疎かにできません。

なぜなら、企画は商品企画部が行っていますが、新商品を売り出すのは全部門が総動員で行うものだからです。全部門の期待を背負った商品企画部ですが、経験者だけでなく、未経験者も採用しています。アイデアが生まれることが大切なので、前職が全く関係ない職種でも務めることができます。

トレンドに敏感で、デザインが得意・興味がある、モノづくりや発信することが好き、など商品企画部に求められる人物像であれば未経験でも十分活躍することができるでしょう。

○ヒット商品を生み出すのに必要なこと

ヒット商品を1つ生み出すだけで、企業は安定します。

マスヤの「おにぎりせんべい」は永く愛されている商品ですが、何と本社もおにぎりせんべいのデザインとなっています。ヒット商品はそれほどの力を持っているのです。

しかし次々と生み出される新商品の中で、人気商品となるのは一握りにすぎません。

新商品を発売してヒットする確率は100分の1だとか1000分の1だとか言われています。

新商品の企画は常にトライ&エラーの繰り返しです。魅力的な商品はすでに世の中に溢れています。

新しい良さを生み出すには9割の人が「珍しいな」と思い、1割の人が「めっちゃほしい!」と思うことがポイントだと言われています。万人受けするのではなく、熱狂的なファンを獲得することで後にヒット商品となるそうです。そのためには十分な知識と様々な経験、そしてマーケティング能力が必要です。

神戸国際調理製菓専門学校の調理スペシャリスト本科では学生のうちからレシピを考案し、実際に商品化を目指すという「フードプランニング」という授業があります。

○フードプランニングについて

フードプランニングとは食に関する企業の商品企画担当者と意見を交換しながら、オリジナル商品の開発に取り組む授業です。さまざまな現場経験は、卒業後をイメージすることができる絶好の機会であり、将来の進む道の選択肢が広がります。

フードプランニングの実績(2018・2019年度)

㈱愛南サンフィッシュとのコラボレーション

鯛を使ったフィンガーフードのメニュー開発

㈱ダイエーとのコラボレーション

ダイエーオリジナルビスケットを使ったサラダとスイーツの考案と神戸コレクションへの出店

㈱テスコムとのコラボレーション

真空ミキサーを使った料理作成

リスパック㈱とのコラボレーション

高耐熱容器に合したメニュー開発

㈱ダイエーとのコラボレーション

オリジナルピザのレシピ考案