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お菓子の味を言葉で伝えよう

和菓子も洋菓子も、見た目にも美しく美味しいものです。

自分が食べたお菓子の美味しさを人に伝えたい時に「美味しい」というのは当然誉め言葉になりますよね。

しかし自分がお菓子を作る側に回った時には、「美味しい。だから食べてみてください!」と言っても誰も振り向きません。

今回は「お菓子の美味しさを言葉で伝えること」を掘り下げていきたいと思います。

お菓子の「美味しさ」を伝えることでお菓子の世界は広がるとも言えます。

○「美味しさ」の表現方法

一言に「美味しい」と言ってもただの主観にすぎません。

例えば、辛いものを「美味しい」と感じる人もいれば、苦いものを「美味しい」と感じる人もいるし、薄味のものを「美味しい」と感じる人もいれば濃い味を「美味しい」と感じる人もいますよね

このように実に様々な「美味しい」人によって様々です。

つまり、全員が美味しいと思えるお菓子は、もはや存在しないかもしれません。

具体的な味の表現方法には「甘い」「辛い」「しょっぱい」「酸っぱい」「辛い」などがあります。

1つ例として、「甘い」とは具体的にはどんな味なのでしょうか?

単純に考えると「砂糖」の甘みかと思われますが、だしの旨味を「甘い」と表現したり、魚本来の味が存分に味わうことができたときに「甘い」と言ったりします。

醤油を「甘い」と言うこともあります。このように同じ「甘い」でも奥にある味は違うのです。

「魚の甘みを感じる」と表現するとある程度想像ができます。

しかし当然、「美味しい」を伝えるには「甘い」「辛い」だけでは足りません。

美味しさは「味覚」だけでなく、「食感」も影響を及ぼします。「美味しさ」は味だけで構成されているわけではないのです。

「味覚」であれば、「まろやかな」「爽やかな」「フルーティーな」「マイルド」などのバリエーションがあります。

「食感」であれば、「シャリシャリする」「もちもち」「ザックザク」「ふわふわ」「口溶けがよい」などのバリエーションがあります。

これをお菓子で表現してみると、ただ「美味しいプリン」「美味しい和菓子」というよりも、「まろやかな口溶けのよいプリン」「フルーティーなもちもちした和菓子」のように表現すると「美味しさ」がより伝わると思いませんか?

なぜか言葉だけで想像ができ「食べたい」という気持ちが湧いてきますよね☺

このように「美味しさを言葉で伝えること」はお菓子の世界にとってはかなり大切なことなのです。

○お菓子を提供する側になったら

食べる側ではなく、自身がお菓子を提供する側になった場合を見ていきましょう。

例えばあなたが洋菓子店を営んでいるとします。

絶対に他店にはない美味しいケーキを作っているという自信もあっても、それだけではお客さんは来ないですよね。

「美味しいから食べてみて」と試食を振る舞って、美味しいと思ったお客さんから口コミで広がっていくのも一つの手ですが、先ほどの「お菓子の美味しさを言葉で伝える」ことがここでも生きてきます。

「ふわふわの生クリームと口溶けの良いスポンジのケーキ」とPOPや広告に書くことでケーキのセールスポイントを伝えることができます。「あ、このケーキは柔らかさがウリなんだな」とお客さんに考えさせ、購入意欲を沸かせます。

それだけでなく、言葉を工夫することでさらにお客さんにケーキを印象づけることもできます。

「ふわふわの生クリームと口溶けの良いスポンジケーキ」に「〇〇産の〇〇を使った」と材料のこだわりポイントを使うのも効果的です。

他にも買ってほしいターゲットを限定する言葉を使うことも美味しさを表現する言葉のバリエーションとして覚えておくといいでしょう。

例えば「家族の笑顔の真ん中に」という言葉を添えれば、食卓の真ん中に家族が揃う中、ケーキを楽しそうに食べる様子が思い浮かびますよね。

「家族の笑顔の真ん中に〇〇産の〇〇を使った、ふわふわの生クリームと口溶けの良いスポンジケーキ」

これでお店に来たお客さんに美味しさが存分に伝わりますね。表現のバリエーションを増やすことでお菓子の魅力を引き出すお手伝いができるのです。

○製菓専門学校でも学ぶ「美味しさ」の表現

お菓子作りの技術や、製菓衛生師という資格取得のための座学が製菓専門学校での授業の基本です。

それだけではなく、お菓子を作る側として、お菓子を売る側としてのマナーや心得なども習います。

その中には「美味しさ」を表現する授業も含まれています。

やはりどれだけ工夫して、どれだけすごい技術をほどこしても「美味しい」という表現しかできないと、きっとそのお菓子の魅力の何割かしか伝わらないのです。

製菓専門学校でも「美味しさ」の重要性をお伝えします。